ワニ猟師の朝は早い。

昼夜の区別のない世界ナドラガンド。
アストルティア同様この世界でも様々な狩りが行われているが、
中でも一攫千金狙いの狩りとして知られるのがワニ猟である。
今回は新人のワニ猟師、ウールーズ氏のワニ猟に密着した。
1
ワニ猟は4人のチームで行われる狩りである。
ワニバーンの落とす人魚の涙という高級素材を求めて行われる狩り。
その狩りにはチームワークと果てしない根気が要求される。

パーティーの4人にはそれぞれ役割がある。
ワニバーンを増やし、数を安定させる呼び子。
ワニバーンからアイテムを盗む獲り子。
盗み終わったワニバーンを始末する狩り子。
パーティーの体力管理など支援を行う守り子。
ウールーズ氏は新人の呼び子として今日もワニを狩りに行く。
2
呼び子はワニバーンを呼んでさえいればよいというものではない。
盗みや盗み終わったワニバーンの始末が効率よく行えるように、
ワニバーンの数や状態を整えるのが仕事だ。

強力な攻撃のあるワニバーン。
増やしすぎはパーティーの壊滅に繋がる。
しかし、呼びが遅れることは猟の効率低下を招く。
ワニバーンの数を1〜2匹に保ち続けなくてはならない。
新人とはいえ、ウールーズ氏の責任は重大だ。
3
呼んだワニバーンはおたけびで動きを止める。
自由にさせておくといつボディプレスがくるかわからない。 
盗みと退治のペースを見ながら、次のワニバーンを呼ぶ準備をする。
4
ワニバーンの反撃などで始末が遅れることもある。
うっかり3匹目を呼んでしまうこともある。

最近はワニバーンにも知恵がつき、エモノ呼びに失敗することが増えた。
この失敗を恐れるあまり、早めに呼んでしまうことがその原因。
ウールーズ氏はそう語る。

おたけびだけではワニバーンを大人しくさせられないとき、
ウールーズ氏の持つムチが唸りをあげる。
しばり打ちでワニバーンを麻痺させるのだ。

「でも、しばり打ちもよく失敗してしまって・・」
自嘲気味にウールーズ氏が語る。
「しばり打ちの技巧の宝珠を探してるのですが、
これも中々出ないんですよね」
5
忙しいワニ猟の合間を縫って宝珠を探すウールーズ氏。
狩りの効率を少しでもあげたい。
その気持ちは疲れた身体にも休む間を与えてくれない。
6
「先日はついに月まで宝珠を探しに行きましたよ」
照れ笑いをするウールーズ氏。
しかしその瞳はワニ猟への熱意で輝いていた。
7
強敵ワニバーンを相手に命をかける猟師たち。
人魚の涙とはそんな彼女たちの悔し涙、嬉し涙の結晶なのかもしれない。

そこで一句
また早し 呼び間に合わぬサポの狩り Bで終わるうー川柳
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