俺の名はトラシュカ。
アストルティアでも超有名なトレジャーハンターだ。
なに?聞いたことがない?
まあ、有名だったのは1,000年ほど前の話。
忘れられちまっても仕方ねぇな。
俺がよく出かけたのは、海の向こうの未踏の島々だ。
そこには古代文明の遺跡や未知の国や集落が、
俺の到着を待ちわびていたんだ。
俺はボロっちいけど頼りになる相棒の帆船に乗り込み、
世界中を旅して回ったものさ。
ただ、いつでもお宝に巡り会えるとは限らねえ。
どっちかといえば空振りがほとんどだ。
そんなときに手ぶらで帰ってきてたんじゃ、
いつまでたっても貧乏暮らしから抜け出せない。
次の航海費用にも事欠くことになっちまう。
そこでかしこい俺様は考えた。
ついでに商売も兼ねちまおうってね。
何も高価なものを扱う必要はない。
むしろ逆でありふれた日用品がいいんだ。
タライとか傘とかそんなもんだ。
もちろん、行った先の集落でもタライや傘はあるよ?
でも、見知らぬ国のタライってだけで
興味を持ってくれる人は大勢いる。
中には傘がまったく普及してない集落だってある。
ほとんど雨が降らないような土地だ。
そんな時は日傘だっていえばいいんだ。
木の下に開いた傘を逆さに置いて、木を揺らす。
そうすると落ちてきた木の実が傘に入って簡単に集められる。
要は大切なのはアイデアだ。
むしろありふれた品物の方が何にでも使えるし、
どこでだって売れる。
俺はそんな日用品の貿易とトレジャーハントで大儲けしたのさ。
俺の船はどんどん大きくなっていった。
大量の荷物を詰み込む必要があるからな。
乗組員も増えていった。
船がでかくなりゃ、船乗りも増える。
船乗りが増えれば料理人だって必要だ。
とくにうちの料理人は優秀で、
いろいろ見たことのないものを作ってくれた。
絶品だったのは、オデンという東洋の食べ物だ。
大鍋で作れるので大食いの船乗りたちにも人気だった。
そんな感じで俺の商売は順調だった。
俺ももっともっと儲けたくてどんどん欲の皮が突っ張っていった。
考えてみればそれがいけなかった。
何でも程々が大切。命あってのことだったのさ。
ある日の航海。
天気もいいし、雨雲も見当たらない。
俺は何にも警戒せずに昼寝してたんだ。
そしたら、急に甲板が騒がしくなってきやがった。
何だと思う?
でっかい竜巻が船に向かってきてたんだ。
嵐なら予兆があるからまだいい。
でも竜巻の予想はほとんど不可能だ。
よりによってなんでぇ、この大きさは!
巨大竜巻は見る見るうちに迫ってきて、
あっという間に船を飲み込んだ。
船はたちまちバラバラ。
船倉に積み込んだタライやお宝、夕飯のオデンも全部空に舞い上がった。
俺も散々竜巻にいたぶられたが、なんとか生き延びた。
船の残骸の上で、命が無事だったことを感謝した。
でも、ダメだなぁ、俺ってやつは。
命の心配がなくなると、たちまち欲の皮が突っ張り始めた。
失っちまった荷物が惜しくてしょうがなくなってきた。
そしたら、どうしたことだ!
空からお宝が降ってきたじゃないか!!
竜巻が空に舞い上げたお宝が降ってきたんだ。
俺は狂喜乱舞したね。
少しでも損害を取り戻そうと、
船の残骸の上で落ちてくるものを必死で拾い集めた。
落ちてきたのはお宝だけじゃない。
荷物のタライや傘、夕食のオデン、そこらの海の魚たち。
ついでに海のモンスターまでも!
これは拾っちゃならねぇ!
思ったときはもう手遅れさ。
爆弾岩が爆発して、俺はふっとばされて海の中。
せっかく拾った命を自分の愚かさで放り出しちまったんだ。
その後俺は、亡霊となって海に留まり続けた。
大きな水平線を見ながらボーッとするだけの毎日だ。
たまに通りかかる船にイタズラをするのが唯一の楽しみだ。
船にいろんなお宝やオデン、魚、モンスターを落としてやるんだ。
大抵のやつはモンスターに吹っ飛ばされておしまいだが、
中にはうまくお宝を持ち帰る奴もいる。
でも、持ち帰ったお宝には呪いがかけてあるのさ。
拾ったお宝を持って、上陸しようとすると呪いが発動。
足を滑らせて海に落ちて、溺れて死んでしまう。
ひどい呪いだろう?
俺の大事なお宝を渡すなんて真っ平ごめんさ。
ところが、最近はずる賢い奴がいる。
バルバトスって奴だ。
あいつは、自分ではお宝は拾わない。
他の冒険者が拾ったお宝を回収して儲けてるんだ。
俺の呪いは、
「宝を拾った奴が宝を持って上陸するとき」に発動する呪いだ。
拾った奴と上陸する奴が別々じゃあ、呪いが効かない。
なんてぇ、ずる賢い奴だ。
亡霊を騙すなんてトンデモねぇ。
俺のお宝と交換で、
浮き輪とかイカ焼きとかを渡してるらしいが、
俺のお宝の価値はそんなもんじゃねぇ。
それなのに騙されて航海にでる冒険者が後を絶たないとは
何とも情けない話だ。
バルバトスのおかげで俺のお宝ももうすぐ在庫切れ。
亡霊になってもお宝だけは手放さなかったのに、
亡霊になって破産するとはなぁ。
まったく世知辛い話だ。
騙されて なお届かない 金のイカ
ハイスコア7万ポイントのうー川柳
アストルティアでも超有名なトレジャーハンターだ。
なに?聞いたことがない?
まあ、有名だったのは1,000年ほど前の話。
忘れられちまっても仕方ねぇな。
俺がよく出かけたのは、海の向こうの未踏の島々だ。
そこには古代文明の遺跡や未知の国や集落が、
俺の到着を待ちわびていたんだ。
俺はボロっちいけど頼りになる相棒の帆船に乗り込み、
世界中を旅して回ったものさ。
ただ、いつでもお宝に巡り会えるとは限らねえ。
どっちかといえば空振りがほとんどだ。
そんなときに手ぶらで帰ってきてたんじゃ、
いつまでたっても貧乏暮らしから抜け出せない。
次の航海費用にも事欠くことになっちまう。
そこでかしこい俺様は考えた。
ついでに商売も兼ねちまおうってね。
何も高価なものを扱う必要はない。
むしろ逆でありふれた日用品がいいんだ。
タライとか傘とかそんなもんだ。
もちろん、行った先の集落でもタライや傘はあるよ?
でも、見知らぬ国のタライってだけで
興味を持ってくれる人は大勢いる。
中には傘がまったく普及してない集落だってある。
ほとんど雨が降らないような土地だ。
そんな時は日傘だっていえばいいんだ。
木の下に開いた傘を逆さに置いて、木を揺らす。
そうすると落ちてきた木の実が傘に入って簡単に集められる。
要は大切なのはアイデアだ。
むしろありふれた品物の方が何にでも使えるし、
どこでだって売れる。
俺はそんな日用品の貿易とトレジャーハントで大儲けしたのさ。
俺の船はどんどん大きくなっていった。
大量の荷物を詰み込む必要があるからな。
乗組員も増えていった。
船がでかくなりゃ、船乗りも増える。
船乗りが増えれば料理人だって必要だ。
とくにうちの料理人は優秀で、
いろいろ見たことのないものを作ってくれた。
絶品だったのは、オデンという東洋の食べ物だ。
大鍋で作れるので大食いの船乗りたちにも人気だった。
そんな感じで俺の商売は順調だった。
俺ももっともっと儲けたくてどんどん欲の皮が突っ張っていった。
考えてみればそれがいけなかった。
何でも程々が大切。命あってのことだったのさ。
ある日の航海。
天気もいいし、雨雲も見当たらない。
俺は何にも警戒せずに昼寝してたんだ。
そしたら、急に甲板が騒がしくなってきやがった。
何だと思う?
でっかい竜巻が船に向かってきてたんだ。
嵐なら予兆があるからまだいい。
でも竜巻の予想はほとんど不可能だ。
よりによってなんでぇ、この大きさは!
巨大竜巻は見る見るうちに迫ってきて、
あっという間に船を飲み込んだ。
船はたちまちバラバラ。
船倉に積み込んだタライやお宝、夕飯のオデンも全部空に舞い上がった。
俺も散々竜巻にいたぶられたが、なんとか生き延びた。
船の残骸の上で、命が無事だったことを感謝した。
でも、ダメだなぁ、俺ってやつは。
命の心配がなくなると、たちまち欲の皮が突っ張り始めた。
失っちまった荷物が惜しくてしょうがなくなってきた。
そしたら、どうしたことだ!
空からお宝が降ってきたじゃないか!!
竜巻が空に舞い上げたお宝が降ってきたんだ。
俺は狂喜乱舞したね。
少しでも損害を取り戻そうと、
船の残骸の上で落ちてくるものを必死で拾い集めた。
落ちてきたのはお宝だけじゃない。
荷物のタライや傘、夕食のオデン、そこらの海の魚たち。
ついでに海のモンスターまでも!
これは拾っちゃならねぇ!
思ったときはもう手遅れさ。
爆弾岩が爆発して、俺はふっとばされて海の中。
せっかく拾った命を自分の愚かさで放り出しちまったんだ。
その後俺は、亡霊となって海に留まり続けた。
大きな水平線を見ながらボーッとするだけの毎日だ。
たまに通りかかる船にイタズラをするのが唯一の楽しみだ。
船にいろんなお宝やオデン、魚、モンスターを落としてやるんだ。
大抵のやつはモンスターに吹っ飛ばされておしまいだが、
中にはうまくお宝を持ち帰る奴もいる。
でも、持ち帰ったお宝には呪いがかけてあるのさ。
拾ったお宝を持って、上陸しようとすると呪いが発動。
足を滑らせて海に落ちて、溺れて死んでしまう。
ひどい呪いだろう?
俺の大事なお宝を渡すなんて真っ平ごめんさ。
ところが、最近はずる賢い奴がいる。
バルバトスって奴だ。
あいつは、自分ではお宝は拾わない。
他の冒険者が拾ったお宝を回収して儲けてるんだ。
俺の呪いは、
「宝を拾った奴が宝を持って上陸するとき」に発動する呪いだ。
拾った奴と上陸する奴が別々じゃあ、呪いが効かない。
なんてぇ、ずる賢い奴だ。
亡霊を騙すなんてトンデモねぇ。
俺のお宝と交換で、
浮き輪とかイカ焼きとかを渡してるらしいが、
俺のお宝の価値はそんなもんじゃねぇ。
それなのに騙されて航海にでる冒険者が後を絶たないとは
何とも情けない話だ。
バルバトスのおかげで俺のお宝ももうすぐ在庫切れ。
亡霊になってもお宝だけは手放さなかったのに、
亡霊になって破産するとはなぁ。
まったく世知辛い話だ。
騙されて なお届かない 金のイカ
ハイスコア7万ポイントのうー川柳