むかしむかしというほどでもない最近のこと。
町から峠ひとつ越えた海辺の小屋に、
貧しい漁師の若者が住んでおりました。
貧しさとはせちゅないもので、
商売道具の網や釣り道具さえも揃えられないほど。
そのため、浅瀬のドワーフグラミーや
浜辺の大きなかいがらを集めるのが精一杯でした。
「ああ、いつか俺も大きな獲物を獲ってみたいものだなぁ。」
若者は口癖のように繰り返しながら、
寂しく毎日を過ごしていました。
ある日のこと、
久しぶりに町に出た若者は、巨大なイカの話を耳にしました。
なんでも、「めいゔ」と呼ばれるそのイカは
身の丈は十尺をはるかに超え、
足の一本一本がまるでスモウレスラーのようなたくましさ。
気性も大変荒く、
網にかかっても船にあげるのは
屈強な漁師4人がかりでやっとという暴れぶり。
ただ、その身は肉厚で甘みが強く、
お殿様でも味わったことがないほどの旨さだそうです。
なかでも4日に1日しか獲れない、通称4のめいゔは、
一際荒い気性ながら、美味しさも格別。
その味は闇を切り裂く落雷のような衝撃と例えられました。
そして4のめいゔを獲ることができた漁師は、
「常闇を断ち切る者」と町でも英雄視されていたのです。
(今回は少々長いお話です。続きを読むからご覧ください)続きを読む
町から峠ひとつ越えた海辺の小屋に、
貧しい漁師の若者が住んでおりました。
貧しさとはせちゅないもので、
商売道具の網や釣り道具さえも揃えられないほど。
そのため、浅瀬のドワーフグラミーや
浜辺の大きなかいがらを集めるのが精一杯でした。
「ああ、いつか俺も大きな獲物を獲ってみたいものだなぁ。」
若者は口癖のように繰り返しながら、
寂しく毎日を過ごしていました。
ある日のこと、
久しぶりに町に出た若者は、巨大なイカの話を耳にしました。
なんでも、「めいゔ」と呼ばれるそのイカは
身の丈は十尺をはるかに超え、
足の一本一本がまるでスモウレスラーのようなたくましさ。
気性も大変荒く、
網にかかっても船にあげるのは
屈強な漁師4人がかりでやっとという暴れぶり。
ただ、その身は肉厚で甘みが強く、
お殿様でも味わったことがないほどの旨さだそうです。
なかでも4日に1日しか獲れない、通称4のめいゔは、
一際荒い気性ながら、美味しさも格別。
その味は闇を切り裂く落雷のような衝撃と例えられました。
そして4のめいゔを獲ることができた漁師は、
「常闇を断ち切る者」と町でも英雄視されていたのです。
(今回は少々長いお話です。続きを読むからご覧ください)続きを読む